十年前、自宅の一室を改装してヨガ教室を始めたときは、生徒さんが三人しか集まらない日もありました。近所の主婦の方が「体が硬くても大丈夫ですか」と恐る恐る覗きに来てくれたのを、今でもよく覚えています。畳の上にヨガマットを敷いただけの簡素な空間でしたが、あの頃の緊張感は経営者として忘れられない原点だと感じています。設備も知識も足りない中で、とにかく続けることだけを考えていました。
最初の数年は、口コミだけが頼りでした。生徒さん同士が友人を誘い合ってくださり、少しずつ人数が増えていきましたが、それに伴って予約の管理が追いつかなくなっていったのです。手書きのノートに書き込む方式では、ダブルブッキングが起きたり、キャンセル連絡が伝わらなかったりと、トラブルが絶えませんでした。ある朝、同じ時間に二人の生徒さんがいらして、気まずい思いをさせてしまったこともあります。そこで思い切って、スクール 予約システムを導入することにしました。最初は操作を覚えるのに苦労しましたが、慣れてくると空き状況が一目でわかり、生徒さんもスマートフォンから気軽に予約できるようになったので、双方にとって負担が減ったように思います。おかげで無用なすれ違いも減り、教室運営に集中できる時間が増えました。
今では教室も二部屋に増え、講師も三人になりました。それでも変わらないのは、初めて教室に来てくださった方の緊張した表情を見ると、あの日のことを思い出すということです。技術や仕組みは進化しても、一人ひとりと向き合う気持ちだけは変えずにいたいと、日々感じております。